2010年10月26日 Comment 0 一生懸命に良いものを作ること ケンゴさんが村長をつとめるおにぎり村キャンプへ行ってきました。 おにぎり村は、COP10に合わせて、キャンプインする人のためのキャンプ村なのですが、 そこでCOP10の開場ブースに配るためのグリーンハートのバナー作成を手伝いました。 グリーンハートは祝島のことを表しています。 祝島は、上関原発が建設予定となっている田浦の海の対岸にある小さなハートの形をした島です。 上関原発の建設により美しい海が埋め立て作られようとしていること、 そしてそこに暮らす人々の思いを広く世界に広めようというものです。 急遽決まった事で、すぐ翌日のCOP10開場に届けなければならないグリーンハート100個、MTGの時は段ボールかなにかでつくるのかと思っていたら、竹細工で作りはじめました。 竹を採寸して、のこぎりで切って、なたで幅を決めて、ナイフで厚みを調整する。糸がかかる部分に切り込みをいれ、それを手で折れないようにゆっくりしなりながら糸でとめてハートのフレームを作る。その上に、緑の紙とプリントアウトしたグリーンハートのメッセージをのりではり、最後にツタで飾りを付ける。その作業を分業して行っていく。 途中、私が作ったハートの形が歪で、ケンゴさんのチェックが入った。「こんなのアートじゃない。」「竹の厚さが薄くなっている。」その言葉に私はハッとした。時間が立っても3、4個しか、ハートのフレームができあがってこないので、元々竹の幅や厚みなどの検品をまかされていたのをよそに、ハートのフレームを作る作業に回っていた。 なんとなく早くできる方法を考えていた。 「良いものを作る。」 ということがケンゴさんは第一にあるのだ。 竹などいじった事のない人が、一生懸命竹を一定の薄さに削る、次第に自分の中で上手くなっていくのを感じる。力加減がわからず時間をかけて作ってもらった竹の棒を何度も折ってしまう。だけど次第に 折らずにまげられる力加減をつかんでいく。そんな事を一人一人が感じながら作業をしたのだと思う。途中で折れてしまった竹も前の作業の苦労を思い、怪我の治療をするようにひもで補修するとそれはそれで、とても素敵に出来上がったりする。 わたしたちは、作業途中で帰らなければならなかったのですが、一人一人が自分の行程を一生懸命になってやっているのを見ると帰りますと声をかける事さえ憚られたのでした。 わたしたちが帰った後も夜なべで作業はつづいて、翌日無事COP10会場に届けられたそうです。 一生懸命に良いものを作れば人の心にきっと響く。