2009年7月9日 Comment 0 オキナワ ー基地ー 2 阿嘉島 水深-5m 僕が沖縄に行き始めた14年前から、もう本島の珊瑚は壊滅的だと言われていた。 当時から、赤土の流出、オニヒトデの問題などが言われていた。水温上昇などはもう少し後に なってからよくきくようになった。10年くらい前に宇宙船地球号の番組取材で石垣島に行って、 実際に珊瑚の移植やオニヒトデ対策、珊瑚の産卵を見たのでその頃の状況には詳しい。あの頃 研究していた珊瑚の移植などはその後うまくいってはいないのではないだろうか。 ダイバーが傷つけてしまったり、砂を巻き上げたりで痛んでしまう珊瑚の問題よりも ずっとずっと根深い、環境の悪化という問題は、回復に相当な年月が必要なのだろうと思う。 沖縄と言えば離島だった僕たちは、今回本島の海に潜ってみて、10年以上たってもなお 回復出来ない海の惨状をみた。真栄田岬では浅いところには全く生きた珊瑚はないし、 密かに期待していた大浦湾でも、発見された珊瑚の大群落以外では無惨な墓場となっていた。 だからフェリーで阿嘉島にいって海に入ったときは、本当にうれしかった。 水深-3m以下では生きた珊瑚が広がっていて、濁りのない透明な水のおかげで水深-10mでも とっても明るい海中だった。 阿嘉島 水深-8m 開発は、豊かな自然環境を破壊する場合には問題になるけれど、もう自然が破壊されて しまった場所に対しては何の問題にもならない。だから開発する側にとっては、理由はなんであれ、 自然環境をまず破壊してしまうことが重要になるようだ。 高江に海水揚水発電所というものがある。夜間電力が安い事を利用して、夜間海水を汲み上げ、 昼間にそれを放水して発電し利益を得ようとする、要するに巨大な電池のようなものだ。 やんばるの広大な森を切り開いて作られた巨大施設は現在も何の利益も上げられないまま。 この土地を軍事利用するときには既に自然は切り開かれているため、環境面では何の問題にも されないのではないかと思う。そのために国がまずこの施設を作ったのだとしたら、本当に おそろしい事だと思う。