2007年10月1日 Comment 0 篠田昇撮影監督 DVDの整理をしていたら「世界の中心で、愛をさけぶ」を久々に見てしまった。 行定 勲(ゆきさだ いさお)監督による大ヒット小説の映画化だが、空気感が良かった。 大げさでない画調の変化で過去と現在がショックなく繋がっている。 調べてみると、これは篠田カメラマンの遺作となった作品だという。 数々の岩井俊二監督作品のカメラマンを務めた篠田さんは享年52歳。 撮影監督としてはまだまだこれからという年齢なのに、本当に惜しいことだと思う。 一度篠田さんの撮影現場を見てみたかった…。 あの独特の揺れは手持ちなのかクレーンなのか、どの場面でステディカムを使ったのか。 現場の指示の仕方は、など気になる事がたくさんあるが、今となっては撮影現場を知る人に 聞くしかない。 ただ、あまりに撮影手法が独特過ぎて、彼の助手は早々に離れてしまった人も多いらしい。 ドキュメンタリー出身のカメラマン。 例えば、完璧なショットを求めていくらでもリテイクできただろうが、 まるで一発で打ち合わせなしで撮ったかのようなオーストラリアでの 空撮の手法はまるでドキュメンタリーだ。 (「世界の中心で、愛をさけぶ」の)仕上げの段階で篠田さんは 「俺はいま現存する35ミリというフィルムを使って、これ以上美しい映画はないだろうという映画を撮った。 もう思い残すことはない」と言っていました。-「月刊行定勲」より 「篠田さんは亡くなってしまった以上、篠田さん自身はもう二度と映画は撮れない。みんながそれを自分たちの映画に活かすことで彼は生き続けるんだと思います。」-岩井俊二 カメラマン篠田昇の残したもの