2007年7月20日 Comment 0 だらだらと思うことを綴ってみる#2ー日本の伝統〜風景を守る いま高崎に来ている。麦畑や田園風景の先に、高速道路が走っている。 大通りには、ファミレスやショッピングセンターの大きな看板が目立つ。 本当に日本人は昔ながらの日本的な良い風景ー自然を含めた造型、伝統的手法でたてられた美しい建築物ー を守ろうという意識は低い。というか森や田園風景、古い町並みは誰しも美しいと思っているが、 何かあたらしいものー建築物、道路、町ーを作ろうといったとき、それになじむようにとか 考えてず、ただ”新しい””丈夫な”ー中途半端に西洋をまねた、日本の自然、伝統美に基づかないー ものを作ろうとする。 日本の風景を守ろうとするのは、先日情熱大陸で放送されていたアレックスカーさんのように、日本人ではない。 (東洋文化研究のアレックス・カーさんは京都の町屋を改装してー古くても美しい部分を生かすー宿泊施設にしたり、長崎のある島を商業的にも成功させて、なおかつ島の自然の姿を保存するプロジェクトを立ち上げたりしている) ピーターラビットの作者、ビアトリクス・ポターは、湖水地方をこよなく愛し地域が開発されるー荒らされるーことを恐れて自分でその 土地を買い、その後はナショナルトラストに地域管理をまかせて、湖水地方の美しさを守ったのだと聞いた。 このように自分でその地域の風景美を守るために土地を買うという話は日本では聞かない。 膨大な手つかずの土地を買うときは、リーゾート開発かなにかで、日本の伝統とは似つかない大きなホテルや エンターテインメント施設をを作るときぐらいだ。 そんなことを考えていると、自分の印刷物のデザインでも何か和とか日本の美を意識したものを 作りたくなってきた。 以前代官山のCollexでGRAFの日本的な和紙風のランチョンマットを見て感銘を受けた。色が繊細で紙の質感が伝わるすばらしいものだった。紙のランチョンマットということで1度使ってシミをつくったらそれまで。そんなはかなさも”日本の美”らしさ。 ショップの方が、この色や印刷はGRAFの人がこだわりにこだわって作ったものなんだと説明してくれました。 (初回のみの色で再現はコスト的にできないらしい。) 和紙や古典柄を使っているわけでもないのに、和を感じるデザインができるのは、やはり日本の自然美、 古いおもむきのある町並みなどを見てきたからかもしれない。 駅前のパチンコ屋、郊外の大型ショッピングモール、沖縄のオーシャンビューの真っ白な巨大ホテル。 村と都市をつなぐ巨大すぎる道路、橋。山をコンクリートで埋め立てるブルトーザー。 いったい誰が望んだものなのだろうか?