2006年1月18日 Comment 0 貨物エレベーターと現代美術の一日 故障したノートパソコンを修理に出すついでに、ギャラリーに行こうという計画を思いついた。 故障は3回目なので、何が原因なのか実際に修理している人に話を聞きたいと思い、 販売店に聞いた修理品の送付先に直接行ってみた。 江東区の第一倉庫3Fという住所だ。夢の島に近い。 東西線東陽町駅から歩くと、このあたりのスケールの違いに驚いた。 ビルの敷地には庭園があるのは当たり前、集合住宅の回りも、空き地のような中途半端な空間 がそこらじゅうにあった。銀座や東京駅からそんなに離れていないのに、地価がそんなに低いのだろうか? と疑問に思った。倉庫地帯に入り、駅から歩くこと30分、やっと目的の住所の番地まで来たが、 フォークリフトやトラックばかり、会社名もない。「ちがうかなあ」あきらめかけた頃、パソコンメーカー のロゴの入ったワゴン車が目に入り、やっと確信を持つことができた。 トラックやコンテナのあいだをすり抜け、建物の中に入ると、どうやら大きな貨物エレベーターでしか3階に 上がれないようだ。 「普段はお請けしないんですが・・・」と突然の来訪にも丁寧に対応してくれて、 パソコンの修理は請けてもらったが、なんとここではノートパソコンの修理はしないという。 このPCを買った横浜青葉台の販売店に相談したら、秋葉原のサポートセンターに送って 修理してもらうといわれ、秋葉原のサポートセンターに聞いたらまたそこから送って修理してもらうという 事だったので、ここが最終地点かと思ったら、まだ先があった。運送費だけで結構かかるのではないか。 モントリオールで修理した時は、小さいPCショップで受付してくれて、その奥でインド人技術者が修理、 その日の夕方には受け取れたのに、日本では構造が複雑すぎて、向こう側が見えない。 PCに限らず、いろんな事にいえると思った。 その後”日本のベニス”と呼ばれる東陽町のカナールエリアを歩き、東京都現代美術館のある公園へ。 ここでみちみち買ったバタールに、持参した具をはさんで昼食となった。もう日が傾いて、寒かった。 白河清澄庭園を過ぎて、橋の手前に目指すギャラリーの住所はあった。しかしまたどうみても倉庫にしか 見えない。すると、ギャラリーの案内があり、やはりここでいいのだと分かった。差し押さえ物件、老朽化、 あるいは近い将来取り壊し予定の大きな建物を、ギャラリーとして利用するという、こういう感覚は モントリオールでギャラリーめぐりをしていた時になじみがある。「日本にもこういうところがあるんだ」 という感想だった。 Hiromi Yoshii のギャラリー。遠くから見ると女の人の顔に見える。ドット模様の彫刻。他にもたくさんの ギャラリーがある。 日経BPのレポート