痛み止めの薬で十二指腸潰瘍に

事故の怪我の治療で、くろさわ病院の外科医師によく効くというトラムセットという痛み止め薬を処方された。しかしあまり薬の長期服用に乗り気でない僕は2回ほど飲んで、痛みを緩和する効果が少しあるが、それで治りが早くなりそうもないことを感じてそれ以上飲まずにいた。同時に医者に、薬の副作用や体への悪影響が心配だから、痛みを緩和することよりも、治療に効果的なもの以外は飲みたくないと伝えていた。
しばらくしてまたその医者に、トラムセットが痛み止めの効果があると感じたのだったら毎日飲むほうが治療に良い結果が出る、と言われ、そうかそれならば、と毎食後に服用しだしたのが1ヶ月前。

ところが五日ほどすると夕食後に腹痛があり、腸のあたりで消化不良なのかグツグツと煮えるような感じで、朝まで不調でよく寝られないことがあった。当初は、繊維質なものを食べ過ぎたのか、とか緑のジャガイモを食べてしまったのかも、とか、食べ過ぎかな、などと思っていたが、便がタール状のよくない色をしている。この時は潜血とも思わずに、トラムセットがもしかして腸内細菌を殺菌してしまう効果もあるのかもしれないと思った。お腹の調子は昼はましになり、夜に痛くなる。食事を変えても良くならないので薬の服用を中止した。うーん。腹痛はたまにあることなので、明日にはよくなるかもしれない、と思いながら、2週間経つうちに、年末になってしまった。年末は横浜のあいぽんの実家で和室の床をフローリングに変えることになっている。ビオフェルミンSを毎日飲むようにしていたら、マシにはなってきたし便の色もそれほど悪くはないが、やはりまだ夜間は少々調子の悪い感じで、そのせいなのか就寝中背中も痛く、安眠もできない。腸でグツグツと煮えている感じだ。

大晦日前には高崎の実家に移動し、そこで今度は倉庫の棚を作ったり、軒の波板を張り替えたりしていたが、なぜか症状は収まってきた。新年になり佐久に戻った時にあいぽんが薬(トラムセット)を調べて、驚くことがわかった。トラムセットは非ステロイド消炎鎮痛薬(NSAIDs)というカテゴリーで、副作用の比較的頻度が高いものとして胃潰瘍、胃腸障害、十二指腸潰瘍、小腸や大腸の潰瘍がある、というのだ。あのタール状の便は、潰瘍による潜血だ。

薬で胃が荒れるから胃薬を同時に飲むというのは知っていたけれど、潰瘍にまでなるとは。しかも大腸まで。こういうリスクを伝えずに長期服用を勧めた医者に腹が立ったし、絶対に非を認めないのもわかっていたので同じ病院には行かずに違う病院に行き、また潰瘍の治し方を自分でも調べて治療している。現在はほぼ9割方は治っているように感じる。完治まで2ヶ月くらいかかるようだから、このままあと1ヶ月治療を続けながら様子を見ようと思う。

トラムセットなどの非ステロイド消炎鎮痛薬を数日以上服用する場合は、胃の粘膜の分泌を促進する薬を併用したほうがいいし、胃腸の具合が悪くなったら即服用を中止したほうが良い。また胃腸以外にも肝障害のリスクもあるので、胃薬を併用したとしても服用は最小限にしたほうがいい。今回、自分の直感に従って服用しないほうが、変に知識を持った医者の判断よりも良かった。医者じゃなければできない手術もあるし、その医者でしか導かれない診断もあるだろう。しかし、医者は結果に責任を持つことはないし、病状が悪くなっても心を苦しませる事もない(僕はそういう医者に診てもらったことがない)。薬を処方されたら、必ず自分でその薬を調べ、自分の判断でその薬を服用しよう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です